ダグラス X-3スティレット

1945年6月20日に開発が承認されたX-3は、地上から自力発進を基本としてマッハ2の速度と30分の航続時間を求められた実験機で、49年に製作がスタート、52年9月20日に初飛行した。しかしエンジンの推力不足から水平飛行で音速を超えられず(マッハ0.987)、53年7月28日にダイブでマッハ1.21を記録したのみで結局、計画はキャンセルされた。エンジン選定の誤りで先進的外観を裏切る低性能機に終わった実験機である。 しかし、対日戦争のさなかに航空先進国のドイツ、英国に追いつけ、追い越せと力む米国の努力を感じる機体である。
性能所元     X-3
全長       20.35m
全幅        6.91m
全高        3.82m
翼面積     15,47㎡
全備重量    9440kg
エンジン    XJ-34WE-17×2
推力       2220kg×2
最大速度  1136km(6100m)
最大到達高度 11580m
航続時間  1時間(950km)

サーブJ35ドラケン

武装中立を選んだスヴェーデンが自力開発したダブル・デルタ翼の戦闘機。高いSTOL性、モジュール化され良好な整備性を持つコンパクトな機体、マッハ2級の超大国の第一線機に劣らぬドラケンを作り上げた人口800万の小国スヴェーデンに感服する。当初は昼間迎撃機であったが全天候迎撃機に進化し、自国はもとよりフィンランド、デンマーク、オーストリア空軍にも採用され北部欧州の防空任務に就いた。
性能所元   
全長        15.34m
全幅         9.42m
全高         3.89m
翼面積      49.20㎡   
離陸重量     14590kg
エンジン ボルボ・フリグモーターRM60
推力       8165kg(A/B)
最大速度    M2.0
上昇限度    20000m
戦闘行動半径  360km
武装      ADEN30ミリ砲×1(90発)         
AAM、爆弾、増槽等最大3000kg

Rー77 ADDER

米軍のアムラームに対抗して開発されたと言われるロシアのRー77中距離空対空ミサイル。アムラームスキーなどと蔑称されるが機動性、射程などは米軍のアムラームを凌駕するといわれる。アクティブ・レーダー・ホーミングによる撃ちっ放し能力を有する。アムラームより少し大型で尾部の簀状の舵翼に特徴がある。1994年より運用され、ラム・ジェット・エンジン装備の長射程タイプRー77M1もある。
性能所元        Rー77          
全長           3.60m
直径           0.20m
全幅           0.35m
重量           175kg
エンジン  固体ロケット・モーター
最大速度      M4+
航続距離      90km+

AIM-120 AMRAAM(アムラーム)

アクティブレーダーホーミングで撃ちっ放し能力と同時多目標攻撃能力を持つ中距離ミサイル。発射された後は慣性誘導で飛行し、自らのレーダーで目標を捕らえて終端誘導に入る。対電子妨害対抗能力にも優れ旧式なスパロー装備の自衛隊機とAMRAAM装備の米軍機が模擬戦闘訓練をすると決定的に米軍機が優位に立つと言う。1992年から生産され米軍、韓国空軍で使用されている。地上発射型やラムジェットを装備した長射程のFMRAAMも開発中と言われる。
性能所元       AIM-120D
全長          3.66m
直径          0.176m
翼幅          0.525m
重量          150.75kg
最大速度       マッハ4
射程       32km~180km

RIM161A SM-3

MD(ミサイル・ディフェンス)で有名なSMー3(スタンダードミサイル-3)。これは戦闘機だろうか?かつてF-99ボマークと言う無人戦闘機、実はミサイルが有った。防空を考えれば、ミサイルも無人戦闘と言える。
米海軍が新たに艦隊防空用にセミ・アクティブ・ホーミングのSM-1を導入、イージス艦用に慣性誘導、データーリンクを取り入れ長射程(120km以上)多目標に対応したSM-2を開発した。そして弾道ミサイル迎撃にも対応しようとしたが破片効果弾頭では高速で飛翔する弾道ミサイル破壊は無理であった。そこで弾頭を直接ぶつけるRIMー161 SM-3が開発された。SM-3ブロックⅠが米海軍「レイク・エリー」で、ブロックⅠAが海上自衛隊「こんごう」で弾道ミサイル迎撃実験に成功している。今後ブロックⅡを日米共同開発してゆくことが決まった。 また2007年からは海上自衛隊イージス艦にも配備が始まっている。
性能所元  RIM161A SM-3
全長          6.58m
全幅          1.57m
直径(ブースター径)0.53m
重量          1500kg
エンジン1段 Mk72可変ノズル・ブースター
     2段 Mk104デュアル・スラスト・モーター
     3段 Mk136デュアル・パルス・モーター
速度         秒速3km以上
射程         1200km
迎撃高度       200km以上
弾頭     Mk142KW運動エネルギー弾頭

三菱 F-2 支援戦闘機

F-1に続く支援戦闘機(攻撃戦闘機)として自主開発が計画されていたF-2。高度技術も持ち鼻息荒い日本に危惧したのはレーガン米国。日本の開発費1650億円計上の甘さに、自国の経験から6000億円はかかると読み計画頓挫を恐れて共同開発を持ちかけた。やがてパパ・ブッシュに替わった米国は余裕も無くなり、なりふり構わず自国の権益追求に走った。日本政府の見通しの甘さ、米国の強引さに翻弄されたF-2は開発が3年遅れ、開発費は3270億に上った。ICBMから空母艦隊までそろえる米国は一点豪華主義でF-2に対艦ミサイル4発搭載まで要求する日本を理解できず、出来上がったF-2は不満足な物と成った。これが「自主開発の方が良かった」との意見となっている。しかし地道な努力で平成20年からはアクティブ・レーダー・ミサイルAAM-4(99式対空ミサイル)も搭載可能になったが、機体の小ささは如何ともしがたくこれ以上の開発は中止された。攻撃兵器を持たない航空自衛隊は、やはり一点豪華主義から離れられないのだ。
性能諸元
全長         15.52m
全幅         11.13m
全高          4.96m
翼面積        34.84㎡
最大離陸重量    22100kg
エンジンIHI/GE F110 IHI-129ターボファン
最大推力      13381kgf
最大速度      M2.0
戦闘行動半径   450nm
固定武装 JM61A120ミリ機関砲×1(512発)
(航空阻止)ASM-2(93式空対艦)×4
         AAM-3(90式空対空)×4
         600ガロン増槽×2 
         300ガロン増槽×1

SR-71 ブラックバード

ロッキードの特殊偵察機から発展したSR-71はM3以上の高速巡航が出来る、世界初の機体である。M3以上での超音速巡航中の機体温度は300~700度にも達する為、特殊な材質、特別な設計がされており、地上では燃料漏れを起すという。本機の戦闘機型のYF-12が旧ソ連のMig-25開発の契機になったと言われる。いずれにしても、このような化け物みたいな超高速機を1950年代から開発した、ロッキード社の技術力に敬服する。ベトナム戦争、北朝鮮、中東で数々の戦略偵察任務を遂行したが、只の一機も撃墜されてない。沖縄では真っ黒な異様な外観から「ハブ」と称された。
性能諸元     SR-71A
全長        32.74m
全幅        16.94m
全高        5.64m
翼面積      166.72㎡
全備重量     63500kg
エンジン   P&W JT11D-20K×2
推力(A/B)  151.1kN×2
最大巡航速度  M3.2
実用上昇限度  25900m
航続距離      5150km

F-86 セイバー/旭光

ノースアメリカン社は成功作P51のジェット化案を提案していた。そこへ敗戦国ドイツから先進的ジェット機技術が流入し、後退翼にオハイオン(軸流式)ターボジェットに設計変更して47年に初飛行、高性能を示した。朝鮮戦争で中共Mig15のショックに急遽投入されて劣勢を跳ね返しミグを圧倒した。ミグに使われていたのはホイットル(遠心式)ターボジェットであった。1955年から日本航空自衛隊の主力戦闘機としてF-86Fが435機、全天候型F-86Dが122機が導入され日本の空を守った。老兵は1980年まで支援戦闘機として任務に就いていた。F-86は総計1万機近く生産されNATO諸国、カナダ、豪州などで使用された。
性能諸元   F-86F
全長        11.44m
全幅        11.31m
全高        4.47m
翼面積       26.76㎡
全備重量     9200kg
エンジン JE J47-27 ターボジェット
推力        2680kg
最高速度     1120km
上昇限度     14600m
航続距離      1642km
武装        12.62ミリ機関銃×6
爆弾        450kg×2

F-5E タイガーⅡ

F-5は元来ノースロップ社の自主開発した機体で、米空軍のT-38タロン練習機の戦闘機型といえる。巡航ミサイル用使い捨てエンジンの双発でレーダーも持たない簡易戦闘機として同盟国への供与に使われ35カ国で使用された。経済的で簡便なF-5はベトナム戦争で哨戒や地上阻止攻撃に大活躍した。戦訓からエンジンを強化、空戦フラップの装備などで機動性を更に向上させ、レーダーを装備したのがE型タイガーⅡである。当時東側諸国に行き渡り始めたMig21に充分対抗出来る戦闘機であった。 経済的でそれなりに高性能なF-5Eは現在もノルウエー、オランダ、韓国、台湾など多くの国で使われている。
性能諸元   F-5EタイガーⅡ
全長       14.69m
全幅        8.13m
全高        4.06m
翼面積      17.28㎡
全備重量    11214kg
エンジン JE J85-GE-21×2
推力      2268kg×2
最大速度    M1.6
上昇限度   15790m
航続距離   2863km
武装 20ミリM39AZ機関砲(280発)×2
    AAM、爆弾等2400kg

EF-111 レイブン

低空侵攻が可能な全天候戦闘攻撃機として計画されたF-111、可変後退翼のSTOL性から海軍も参加したが、あれもこれもと要求が重なり計画より10トンも重くなり、結局空母運用は無理と海軍は降りてしまった。電子装備が真空管から半導体に替わる過渡期の機体で巨大な機体の搭載力は大きく11トンに達する。ベトナム戦争後搭載力を生かしてBF-111となりオーストラリア空軍にも採用された。だが私が好きなのはエスコート・ジャマーのEF-111レイブンである。大柄な機体とサイド・バイ・サイドの座席、たぐい稀な高速性能をいかした電子戦支援機EF-111は湾岸戦争でも大活躍したが、任務上スポットライトが当る事はない。戦後、コストの問題からEA-6へと任務を引き継いでいる。
性能諸元    EF-111A
乗員      2人
全長       23.02m
全幅   19.20m(後退角16度)
     9.74m(後退角72.5度)
全高       6.10m
翼面積     48.77~61.07㎡
最大離陸重量  40350kg
エンジン P&W TF-30-P-109×2
推力      8890kg×2
最大速度    M2.2
上昇限度    17650m
戦闘行動半径 1500km
武装       AAM

IAI ラビ

イスラエルがクフィル、A-4の後継として開発した戦闘機。その実、資金も技術も米国頼みの機体でF-16にデルタ翼とカーナードを付けた様なクローズ・カップド・デルタ・スタイルだが一回り小さい。最高速度より機動性、航続力と搭載量を重視した。EF-2000,ラファールなどと同じ新世代のマルチロール戦闘機である。ところが完成間近に米国が豹変、F-16購入の政治圧力を加えて来た。試作機3機だけで、泣く泣く打ち切りとなった。周囲を敵国に囲まれた小国イスラエルが最大の支援国米国に逆らえる訳も無い。開発者は後に中国に渡りJ-10の開発に当ったと言う。
性能諸元
全長      14.57m
全幅       8.78m
全高       4.78m
翼面積     33.05㎡
離陸重量   19277kg
エンジン   P&W1120ターボファ
推力       9337kg
最大速度   M1.85
上昇限度   15239m
行動半径    2131km
武装     30ミリDEFA機関砲×1
     AAM,ASM,爆弾等7257kg

ミラージュ4000

ダッソーブレゲー社が独自開発したスーパーミラージュ4000、米国のF-15に匹敵する双発の強力な大型マルチロール戦闘機である。複合材を多用し軽量化を図り、カーナードを付けて機動性の向上を狙った。12箇所のハードポイントに8000kgのペイロードを持つ強力な戦闘機となったが、非常に高価な為かサウジアラビアが興味を示した位で採用する国は現れなかった。ラファールの開発に貢献はしたようだ。 フランスの栄光を背負った悲劇の失敗作となった戦闘機である。
性能諸元
全長       18.6m
全幅       11.0m
全高        5.4m
翼面積      64㎡
最大離陸重量 30000kg
エンジン SNECMA M53-2×2
推力    83kN×2
最大速度  M2.5+
航続力   4000km
武装    DEFA30ミリ砲×2
     AAM、ASM、爆弾等8000kg

クフィルC7

フランスの武器禁輸政策で補給を絶たれ窮地に落ち入ったイスラエルが全力を挙げて国産化に取り組んだミラージュ5版のネシェル。モサドの暗躍などが話題に上った。ミラージュの加速力に不満を持つイスラエル空軍は、これに強力なF4ファントムのエンジンを組み合わせてカーナードを付けて完成したのがクフィルC2。機動性も大幅に向上した、強力な戦闘爆撃機となった。更に電子機器が改良されC7と進化して160機余り生産され、イスラエル空軍のほか、エクアドル、スリランカ、コロンビアにも輸出された。人口200~300万人程の小国でも本気になればマッハ2級の戦闘機が作れる事を証明した功績は大きい。
性能諸元     クフィルC7
全長        15.65m
全幅         8.22m
全高         4.55m
翼面積       34.80㎡
最大離陸重量   16500kg
エンジン ジェネラルエレクトリックJ79ーJ1E
推力        8505kg(A/B)
最大速度    M2.3+(11000m)
実用上昇限度  17700m
航続距離      3230km
武装    30ミリDEFA機関砲×2(125発)
         AAM、爆弾等6085kg 

Mig-29 フルクラム

世界15カ国に輸出され2000機以上が生産されたMig-29、統一後のドイツ空軍の評価によれば優れた運動性と格闘性能を持つが搭載量、電子機器・システムの能力不足により限定的運用にならざる負えない。実際の模擬空戦ではF-15を圧倒しF-16と同等、トーネードとの結果は秘密と言われる。ただしこれは輸出用機体の評価で、ロシア空軍用より相当グレード・ダウンされてると言われる。そのロシア本国でも冷戦後の予算不足で、より大型長大な航続力のSu-27に一本化され冷や飯を食わされた。しかし改良型Mig-29 OTVは可変ノズルを持ち、エンジンとアビオニクスの近代化でSu-30を上回る高機動性を見せ、Mig-35として提案されている。近年のロシアのエレクトロニクス、IT産業の進歩は目覚しく、電子装備アビオニクスは西側と同等か、それ以上、ロシア機の欠点であるエンジン寿命の短さも相当改善されたと言われる。
性能諸元      Mig-29 9-12 
全長           17.32m
全幅           11.33m
全高            4.73m
最大重量        18100kg
エンジンクリモフサルキソフRD33ターボファン×2
推力        8300kg×2
最大速度      M2.3
上昇限度      17000m
航続距離      1500km+
武装       Gsh-301 30ミリ機関砲×1(150発)
爆弾・ミサイル  AA-8、AA-10、AA-11計6発
           爆弾等合計3000kg

F-18 スーパーホーネット

数奇な運命の機体である。元来はノースロップ社の自主開発戦闘機P-530、空軍の軽量戦闘機計画のF-17へと発展したがF-16に破れ、海軍がF-18としてマクダネル・ダグラス社に発注。F-14、Aー7、Aー6の後継機としてマルチロール・ファイターF-18が誕生した。高度な電子装備を持ち、空母への離着艦は殆ど自動で行われるという。湾岸戦争では地上攻撃を受け持った。日本航空自衛隊のFXの候補機でもある。

性能諸元     F-18F
乗員           2名(E型は1名)
全長            18.38m
全幅            13.62m
全高             4.88m
翼面積           46.45㎡
通常戦闘離陸重量    22169kg
エンジン    GE F414-GE400 (推力9979kg)×2
最大速度          M1.7+
上昇限度          15240m
戦闘行動半径       1231km
武装             M61 20ミリバルカン砲×1          14969kgのミサイル、爆弾等

Mig-21 フィッシュベット

旧ソビエト連邦だけでも一万機以上生産され、チェコ、インド、中国などでもライセンス、コピー生産されているベスト・セラー戦闘機。初飛行は1955年だが、MIG-19譲りの優れた格闘性能はF-16、MIG-29出現まで凌ぐ者が無かった。単純で安価な運用コストに、ルーマニアやブルガリアなどMIG-29を退役させMIG-21に戻す国すら有る。近代化改修キットもロシアのMIG-21-93、イスラエルのMIG-21-2000など豊富だ。中国ではコピー生産から独自の発達を遂げ、今なお生産、輸出されている。西側戦闘機1機分で1飛行隊そろうのは予算に制約有る小国には魅力だろう。

性能諸元    MIG-21-2000
全長         15.76m
全幅          7.154m
全高          4.71m
翼面積        23.00㎡
運用重量      8825kg
エンジン   ツマンスキーR25-300
推力         7100kg(A/B)
最大速度      M2.1
巡航速度      946km
実用上昇限度   17800m
航続距離       1800km
武装        23ミリ機関砲×2(200発)
          1500kgまでのミサイル、爆弾等

F-106 デルタダート

1950年代後半、旧ソビエト連邦の核搭載爆撃機の脅威から米国本土を防衛する目的で高度に自動化された自動兵装管制装置を搭載し半自動防空管制システムに組み込まれたデルタ翼のインターセプターが開発された。当時の真空管を使った電子装置には限界もあったがF-106は前身のF-102より優れ、シックス・シューターと愛称されて1988年迄米本土防衛任務に就いた。かなり大型の高価な機体である。

性能諸元
全長         21.56m
全幅         11.67m
全高          6.18m
翼面積        64.83㎡
全備重量      14280kg
エンジン      P&W J75-P-17
推力         10886kg(A/B)
最大速度       M2.0+
巡航速度        956km(12200m)
戦闘行動半径    790km
武装        AIMー4F/G×4  
           AIR-2A×1またはM61A1(650発)

Mig-25 フォックスバット


ベレンコ中尉の亡命で謎が明らかになった旧ソ連の戦闘機。チタニュウムの代わりにスチールが多用されて機体重量は20トンを超え、真空管を使う外見に似合わぬ機体。旧ソ連が限られた技術で西側最新鋭機に対抗しようとした必死の努力の結晶である。MIG-25に零戦がかぶって見える。アスペクト比の大きいクリップド・デルタ翼、3次元空気取り入れ口などアグレッシブな外形とかけ離れた内容にがっかりとしたものだ。現在はMIG-31へと発展してロシアの防空任務についている。
性能諸元       MIG-25PD
全長           19.75m
全幅           14.015m
全高            6.50m
運用重量        36720kg
エンジン   R-15BD-300(推力11200kg)×2
最大速度        M2.83
実用上昇限度    20700m
航続距離       1730km
武装       R-40ミサイル×4 またはR-40×2、          R-60×4

パナピア・トーネード

1968年から 欧州諸国にカナダで共同開発を始め、後にカナダ、オランダ、ベルギーが脱落、英独イタリアで開発されたマルチロール・ファイター。可変後退翼、ストラスト・リバーサー、極めて高度の電子機能を持ち、フライ・バイ・ワイヤーを初めて取り入れるなど、超先進的機体。阻止攻撃型のIDSは後のストライクイーグルの手本となった。防空戦闘型のADV、電子戦闘偵察型のECRがある。湾岸戦争では高速超低空進入攻撃で口火を切り、制空権を確保した。前回の航空自衛隊FXの時、ADVが提案されたが、設計思想の旧式な米国製F15に決まったのは残念だった。

性能諸元     トーネードIDS
乗員          2名
全長         16.72m
全幅         8.60~13.91m (後退角25°~67°)
全高         5.95m
翼面積       26.6㎡(後退角25°)
運用重量     27950kg
エンジン  ターボユニオンRB199-34 Mk103(A/B7290kg)×2
最大速度     M2.2
上昇限度     15240m+
戦闘行動半径   1389km
武装       マウザー27ミリ機関砲×2          爆弾、ミサイル等9000kg

ミラージュ2000

ミラージュⅢから可変翼、後退翼などの紆余屈曲を経て最後にたどり着いたのが結局デルタ翼のミラージュ2000である。ブレンデッド・ウイング・ボディー、フライ・バイ・ワイヤーなど最新の技術を盛り込んだのは言うまでも無い。米国のF-16と激しい販売合戦を演じた高性能機である。核攻撃力を持つN型も生産され、ミラージュⅣの任務も引き継いだ。現在フランス空軍では新鋭機のラファールの導入が始まっているが、当分は主力戦闘機で有り続ける見込み。アジアでもインド、台湾が導入している。

性能諸元        ミラージュ2000C
全長           14.35m
全幅            9.13m
全高            5.20m
翼面積          41.00㎡
全備重量        10850~17000kgエンジン  SNECMA M53ーP-2推力        A/B時9700kg
最大速度     M2.3
上昇限度     18000m
航続距離     1480km
武装       DEFA30mm機関砲(125発)×2      最大6000kgのミサイル、爆弾等

ラファール


ユーロファイター共同開発から、例によって離脱して自主開発したフランスの美しい4.5世代戦闘機。一国開発の為、ユーロファイターより纏まってると言われるが、現在フランス以外導入した国は無い。韓国空軍がF-15Kより優秀と判定したそうだけど結局F-15Kを買った。シンガポール空軍でもラファールとF-15SGの一騎打ちとなったがF-15SGに決まった。ラファールを導入した場合、装備を全てフランス式に揃える必要があり、条件がタイトで価格も高い事がネックと言われる。
性能諸元      ラファールB
乗員            2名(Aは1名)
全長            15.30m
全幅            10.90m
全高             5.34m
翼面積           46.00㎡
最大離陸重量      21500kg
エンジン   SNECMA M-88  A/B時7450kg ×2
最大速度         M2.0+
戦闘行動半径      1850km
上昇限度         16750m
武装          30mm機関砲×1             最大3500kgのミサイル、爆弾等

サーブJAS-39 グリペン

スエーデン開発の「身の丈に合った」マルチロール・ファイター。F-22のような超高性能を狙う訳でもF-2000のように多国間での妥協の産物でもない、スエーデンの国情、国力に見合った戦闘機。安価な軽量多目的戦闘機として輸出にも積極的で南アフリカ28機、ハンガリー14機、チェコ24機などが決定した。 日本の次期戦闘機に採用したら如何だろう? ミサイルとレーダーの性能が勝敗を決める昨今、防空任務に限定するならスティルス性も無用だし。日本の技術を加えて性能向上し、ウルトラ・グリペン作っても面白い。 民生品を上手く使い安価にまとめる手法は今後の国産戦闘機製作の参考にもなる。
性能諸元  JAS-39B
乗員         2名(A型は1名)
全長         14.76m
全幅          8.40m
全高          4.50m
翼面積        30.00㎡
最大離陸重量   13000kg
エンジン  ボルボフリーグモーター/GM RM12
推力 A/B時8210kg
最大速度       M2.0
戦闘行動半径    800km
武装          BK27 27ミリ機関砲×1          最大5300kgのミサイル、爆弾等

EF-2000 タイフーン

英国、ドイツ、イタリア、スペイン共同開発の4.5世代マルチロール・ファイター。スーパークルーズも可能でF-22程のスティルス性は無いが、日本の防衛には十分。米国上院で輸出が否決されたF-22より、日本製電子機器、素材などの参加を求めるEF-2000の方が航空防衛産業の事を考慮すると現実的かも。そして次次期戦闘機の欧州との共同開発に持ち込めれば最高。そう言えば、日本自主開発の旧FSXの姿に似ているな。日の丸を付けたEF-2000はカッコイイだろうな。
性能諸元
全長     15.96m
全幅     10.95m
全高      5.28m
翼面積     50㎡
全備重量  23500kg
エンジン   ユーロジェットEJ200 (A/B推力9178kg)×2
最大速度    M2.0+
航続距離    1389km
実用上昇限度 18300m+
武装       マウザーBK27mm機関砲 (150発)          ミサイル、爆弾等 6000kg

ミラージュ4P


ミラージュ4Pは1986年、ASMP核ミサイルを搭載して作戦配備に付いた。ASMPは射程100Kmあった事から、目標を攻撃する際、敵から反撃を受ける危険性が低くなった。何度見てもかっこいい!。既にフランス空軍を退役したはず。日本の航空自衛隊で購入し、近代化改修して戦闘爆撃機として使えないだろうか。エンジンと電子機器を強化して、双垂直尾翼にし、カーナードを付ければ最高。機体が大きいだけに、AAMもASMも沢山搭載出来る。

性能諸元   ミラージュ4P

乗員 2名

全長     23.45m

全幅     11.85m

全高      5.65m

自重      14500kg

総重量    33500kg

エンジン  SMECMAアター9K×2推力     4700kg×2

最大速度   マッハ2.2  高度11000m

実用上昇限度   20000m

航続距離      3704km

武装       ASMP核ミサイル×1

Suー47 べルクート

謎の多い機体である。スホーイ設計局の自主開発5世代戦闘機と言われるが、それも謎? カーナードに前進翼、尾翼を組み合わせ、推力変更ノズルも備え、スティルス性も持つと言われるが、それも謎?ショーに良く登場する客寄せパンダか?実験機か?ロシア空軍採用の話は聞かない。
性能諸元
全長         22.60m
全幅         16.70m
全高          6.40m
翼面積        56.00㎡
運用重量      25670kg
エンジン     リューリカD-30F6 推力 (A/B )    15600kg×2
最大速度       M2.1
上昇限度      18000m
航続距離      3300km
武装         30ミリ機関砲×1   その他

Suー27 フランカー

広大な国土を防衛する為に開発され、進化し続ける、かなり大型のマルチロール・ファイター。AWACSなどに支援を受けなくても単独で戦えるよう多目標をロックオン出来る高度な電子装備も持っている。レーダーが使えない場合の赤外線探知装置、レーザー測距装置を持ち、西側にも無いヘルメット・マウント・ディスプレイを装備する。最新型は推力偏向装置も装備し、高機動性で、AWACSの支援無しに戦えばF-15に勝つと言われる。Suー30、33、35、37など非常に多くの発展型があり、中国、インド、インドネシア、タイなど、多くの国に採用されている。
性能諸元     
全長           21.90m
全幅           14.70m
全高            5.93m
翼面積          62.00㎡
最大離陸重量     33000kg
エンジン     リューリカAL-31F A/B推力12500kg×2
最大速度        M2.35
上昇限度         18000m
航続距離         4000km
武装       DSh301 30ミリ機関砲(150発)×1
搭載量         最大9トン

F-16 ファイティング・ファルコン

米国は「軽量簡易型戦闘機計画」から成功例が生まれる。F-104がそうだったし、このF-16もそうだ。空軍の主力戦闘機が、何でも有りの豪華版になってしまうと、反作用が起こるらしい。ハイ・ロー・ミックスのローにされた本機も可哀想だが、性能的にはミラージュ2000と同等以上だ。フライ・バイ・ワイヤー、ブレンデッド・ウイング・ボディーを取り入れた最初の実用マルチロール・ファイター。政治力も有って、世界的ベストセラーになった為、何処でも飛んでいる。イスラエルのラビを政治圧力で潰して後継となり、日本の前FSXも政治圧力で潰して後釜に納まった。まさに強い米国の象徴、ファイティング・ファルコン。

性能諸元   
全長         15.03m
全幅          9.50m
全高          5.09m
翼面積        27.87㎡
最大離陸重量    19187kg
エンジン     GE F-110-GEー129
推力         13421kg
最大速度    M2.0+
上昇限度     15240m
武装       M61A1 20ミリ機関砲×1
爆弾等       5443kg

F-22 ラプター

日本航空自衛隊の次期戦闘機になるかも知れないラプター。航空支配戦闘機と名付けられた第5世代戦闘機。攻撃兵器を持たない日本に取って有効な戦闘機かも知れない。 それにしても高価過ぎる。兵器は次第に高価になって、限界を超えると新しい兵器体系に取って代わられると言う。嘗ての戦艦がそうだった。今、空母と戦闘機が同じ運命なのかも知れない。そんな予感を感じさせるF-22 ラブターである。

性能諸元
乗員    1名
全長    18.92m
全幅    13.56m
全高     5.08m
翼面積   78.04㎡
運用重量  25107㎏
エンジン  P&W F-119ーPW100 A/B ターボファン×2
推力     35000lb.(A/B使用時)
最大速度   M2.42
巡航速度   M1.72
航続距離   3193km
実用上昇限度 15240m
武装      M61A2 20㎜機関砲 (480発)
         AAM×8~14 (任務による)

F-104 スターファイター(栄光)


最後の有人戦闘機と呼ばれたF-104。F-99ボマーク無人戦闘機との対比で言われたらしい。F-104Jは日本には昭和36(1961)年から導入が始まり、昭和42(1967)年まで230機が7個飛行隊に配備された。 尖った鉛筆のような機体のF-104、速度性能、上昇性能は現代でも通用する程。とっくに自衛隊を退役しているが、改設計し再生産して、人工知能と無線操縦装置を搭載して、無人迎撃機として復活させても面白い。ミサイルを全部発射したら、自分も大型ミサイルになる、無人F-104J改Ⅱ。ロマンだ。

性能諸元 F-104J
全長       16.70m
全幅        6.99m
全高        4.11m
翼面積     18.21㎡
離陸総重量  12960kg
エンジン    J-79-IHIー11A 推力A/B時7170kg
最大速度    M2.2
実用上昇限度 17530m
最大航続距離 3015km    
武装       M61 20㎜機関砲(最大725発)  AAM×2~4

F-99 ボマーク

1952年に初飛行した無人戦闘機?実質的には2段式長距離ミサイルである。当時はミサイル万能、有人戦闘機無用論が幅を利かせていた。結局名称はIM-69、IM-99、核弾頭装備のCIM-10と変化し長距離地対空ミサイルと分類された。当時の技術では無人戦闘機は無理があったが、現代なら可能かもしれない。

性能諸元  
全長     14.20m
全幅      5.54m
胴体直径    0.89m
重量     7020kg
弾頭     IM-99   1000kgのTNT 
        CIMー10  10ktの核
最大速度   M2.8~3.0
射程距離   700km